乳化・分散・攪拌・混合の総合機器メーカー

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エスエムテーの分散技術

「乳化」と「分散」は、
食品や化学、医薬などの多くの産業において、
もはや欠かすことのできないキーテクノロジーです。
当社では、「超音波分散機器」の多彩な製品ラインナップを
ご用意しています。

分散とは何か?

ナノレベルの微粒子レベルで
物質を均一化し、製品の品質を向上

「分散」とは、相互に相混じらない2つの物質のひとつが、目に見えないほどの小さな粒子として他の物質中に均一に存在すること。そのため、「物質を均一化させる」ことが、分散の最大テーマになっています。分散させることで、製品(以下サンプル)にしたときの強度、質感、色といった安定供給を目的とした製品や、より高品質のサンプルを作り出せます。また、サンプルを破壊することなく、ナノレベルでの分散ができることもメリットに上げられます。
分散は、セラミックや金属粉体などの均質化や、塗料や接着剤の安定化などに用いられます(図1)。 均質化されていないと、固体にした時に強度が減ってしまったり、質感が悪くなってしまったりします。分散させることで、より密接に物質同士が接合して強度を増し、質感も安定させることができます。

分散とは何か?

図1:金属粉体を分散させると製品にしたときに強度が増し、塗料は分散させると定着度が増して、発色や色の均一性、耐久性などが高まる

塗料や接着剤では均質化されていないと、色むらがでたり、質感が安定せず、接着強度が減ってしまったりします。こちらも分散させることで、色むらを無くし、質感の安定、接着強度を増加させることができます。
近年、液晶ディスプレイに内蔵するカラーフィルターにも応用され、透明性を向上させるために利用されています。また、二次電池の分野でも正極材料に利用され、今後の需要が増加することが見込まれています(図2)

カラーフィルタの構造

図2:液晶ディスプレイ内蔵のカラーフィルターにも、分散技術が応用されている。左が液晶ディプレイの拡大写真。
RGBのカラーフィルタが確認できる

超音波分散機器について

キャビテーションで分散・粉砕を発生
球形の1次粒子を限りなく再現

「超音波分散機器」は、超音波を発するチップを液中に浸すことで、「キャビテーション」を引き起こし、分散や細胞破砕を行います。
超音波を液中に照射すると、液中に「高速な流れ」が発生。高速に流れる液中の、局所的に圧力の低い部分が気化し、気泡が発生する現象をキャビテーションと呼びます。キャビテーションによる気泡は、「発生・圧縮・圧壊」を繰り返し、これにより高温・高圧の反応場が液中に形成されます(図3)

超音波分散機器のメカニズム

図3:超音波分散機器のメカニズム

(A) チップの先端から発生する周波数20kHz の伸縮作用によって、サンプル中にキャビテーションが発生。
(B) 地点がいちばん超音波効率が高い部分(チップ先端から約3cm程度だが、キャビテーション効果はサンプル全体へ伝導)。
(C) 地点は粒子サイズが凝集している部分で、様々なサイズになっています。この状態でキャビテーションされることにより、A地点の先端方向へ引っ張られる力が発生します。

粒子サイズが一定でないため加速度の差が生じ、粒子と粒子を引きちぎります。したがって1次粒子を傷つける心配が全くなく、粒子流動しているため、直接的な「シェアレート(ストレス)」を粒子にかけることがありません。
当社では、「粒子径が球形になりやすい」という、良効果の実績が多数あります。さらに粒度分析測定装置などで測定しても、シャープなグラフ曲線が得られます。

エスエムテー製品の特長

独自開発の技術で高い分散力を実現
現場での使いやすさも徹底追及

当社製の超音波分散機器は、独自開発の内部構造を採用することで、他社製品をしのぐ高性能と安定動作を実現。少量サンプル用のラボ機タイプから、大容量の生産プラント機タイプまで、幅広いラインナップをご用意しています。
また、メンテナンスや修理時に必要な部品も安価なので、ランニングや保守コストも抑えられます。主な特長は、次の4点です。

試験管内の少量サンプルに最適なコンパクト機『UH-50(左)』、冷却アダプターを搭載し高温度サンプルにも対応した『UH-600SH(中)』、右は生産プラント用の防爆タイプ『UH-600SRAP-5(右)』

写真2:試験管内の少量サンプルに最適なコンパクト機『UH-50(左)』、冷却アダプターを搭載し高温度サンプルにも対応した『UH-600SH(中)』、右は生産プラント用の防爆タイプ『UH-600SRAP-5(右)』

  • 1)「一定振幅可変出力回路」を搭載。サンプルの温度上昇によるチップの熱膨張や粘度変化の影響を受けず、常に安定した振幅※を実現
    ※ 周波数19.5〜20.5kHz間
  • 2)業界トップクラス、最大増幅40μmを実現。そのため最高の分散効果が得られる
  • 3)「パルサー機能(間欠運転)」を備えており、サンプルの温度上昇を抑制できる
  • 4)一定振幅可変出力回路を搭載。サンプルの特性が変わった場合でも振幅を一定に保持可能なので相関性が取れる

分散に関するご参考データ

エスエムテー製の超音波分散機器による
粒度分布データ

サンプル:水と油類の乳化分散データ
使用機種:UH-600 100mL

水と油類の乳化分散データ

サンプル:スラリー状シリカ粒子分散データ
使用機種:UH-600 100mL

スラリー状シリカ粒子分散データ

分散媒体による粒子変化適用例

分散媒体による粒子変化適用例